こんにちは。やまもとです。
新製品を考えるとき、よく製品アイデアと製品コンセプトを混同してしまいませんか?
自分は、よく混同してしまいます。
ところが、マーケティング検定では、これらはきちんと分けられています。
そこで、その違いを備忘録として残しておきたいと思います。
アイデアとコンセプトの定義
まず、マーケティング検定で使われている、製品アイデアと製品コンセプト、製品イメージの定義を引用しておきます。
・製品アイデア・・・企業が市場に提供できる可能性のある製品(候補)のこと
マーケティング検定 2 級試験 公式問題集&解説 下巻
・製品コンセプト・・・消費者向けの言葉に練り上げてアイデアを表現したもの
・製品イメージ・・・顧客が実際の製品をどのように知覚するかということ
アイデアは企業、コンセプトは顧客
製品アイデアと製品コンセプトの最大の違いは、「主語」です。アイデアもコンセプトも最終的に言葉として表現されますが、その際、製品アイデアは「企業」が主語になり、製品コンセプトは「顧客」が主語になります。
例えば、最初期のFacebookは「(facebookは)学生名簿を写真付きでウェブにして、いつでも見られるようにする」を目的で立ち上げられましが、これは製品アイデアです。一方、学生からすると「同じクラスをとっている人を探す」とか「美人を探す」といった使い方をしていたようです。これらは、顧客が主語になるため製品コンセプトになります。
この例からも分かるように、製品アイデア1つに対して製品コンセプトは複数存在します。そのため、製品コンセプトでは、ターゲットと提供価値を明らかにしなければなりません。こうして見ると、製品アイデアは「どうやって(How)」を表し、製品コンセプトは「誰に(Who)」「どんな価値を(What)」提供するのかに相当しているのかもしれません。もちろん、製品コンセプトには、ターゲットにとって「なぜそれが価値を持つのか(Why)」が前段階として必要になります。
この、製品アイデアから製品コンセプトを練り上げることを、コンセプト開発と言います。
コンセプトはテストしてみないとわからない
製品アイデアは企業内で完結できるのに対し、製品コンセプトはターゲット顧客に聞いてみないと分かりません。
いったん製品開発に入ってしまうと、そこから開発コストがかかり始めます。製品アイデアをもとに開発してしまうと、誰にとってどんな価値があるのか明らかにしていないので、そもそも価値がない製品を開発してしまいかねません。すると、そこまでに使った開発費が無駄になります。この無駄な開発コストを避けるために、製品コンセプトとコンセプト・テストが必要になります。一般的に、コンセプトは言葉で表現するため、コンセプトの開発は製品の開発より低コストですみます。
コンセプト・テストは、開発前のコンセプト段階で、ターゲット顧客にコンセプトを評価してもらうことです。方法としては、ターゲット顧客にインタービューしても良いですし、アンケート調査を行う方法でも構いません。どちらにしろ、顧客になりえない自社社員の意見でなく、実際に顧客になりうる人からの意見を集めた方が良いでしょう。
今回は、アイデアとコンセプトの違いに話題を絞ったので、短い文章になりました。
重要な点は、「アイデアは企業の目線、コンセプトは顧客の目線」ということでしょうか。
新製品を開発する時は、アイデアで終わらず、コンセプトに直すことを忘れないようにしたいですね。