マーケティング4.0は、2016年にコトラーが提唱した概念です。簡単に言うと、デジタル時代のマーケティングの在り方のことだと思います。
マーケティング3.0までは勉強していたのですが、マーケティング4.0はよく知らなかったため、概要をまとめておきます。
目次
マーケティング1.0(製品中心のマーケティング)
1950年代ごろ、少品種大量生産が可能になったことで、製品をどのようにして売るのかを考える必要が出てきました。
この製品は規格化されているため、マーケティング1.0は、顧客に合わせて製品を作るのではなく、作った製品に合う顧客を探すことが中心になります。
そのため、顧客に対して、機能的価値を中心に訴求することになります。
マーケティング2.0(顧客中心のマーケティング)
1970~1980年代、製品が社会に行き渡り、欠乏をあまり感じないようになりました。そのため、明言されたニーズではなく、一段深い真のニーズによる差別化が必要になってきました。
しかし、顧客は真のニーズを表明しないため、マーケティング2.0では、「顧客心理を探求し、ニーズあったものを売る」という考え方が中心になります。
そのため、顧客に対しては、機能的価値の他に情緒的価値も訴求するようになります。
マーケティング3.0(社会中心のマーケティング)
1990年代以降、CSRという概念が生まれ、顧客個人の課題だけでなく、社会的問題の解決といった精神的充足が求められるようになりました。
企業は、環境問題や貧困問題、食糧問題など、現在SDGsとしてまとめられているような課題に取り組む姿勢がないと、「自分たちだけ儲かればいい」と自己中心的とみなされ、ブランド価値が毀損してしまいます。
そのため、機能的価値、情緒的価値に加え、社会的価値もマーケティング3.0では考慮に入れます。
マーケティング4.0(人間中心のマーケティング)
2010年以降、ソーシャルメディアが日常になったことで、企業にとって顧客エンゲージメントが重要になりました。
現場の1箇所で顧客対応を誤れば、その情報がすぐに拡散され、ブランドの大ダメージを受けます。逆に、素晴らしい対応をできると、その情報も徐々に拡散あれ、ブランドイメージを向上させます。そのため、企業と顧客の関係性をより良くすることに注目が集まりました。
最終的には、顧客が企業やブランドのファンになり、推奨するようになることが目指されます。
まとめ
これは、「1.0よりも4.0の方が良い」というよりも、時代に応じて「マーケティング概念が1.0から4.0へと拡大してきた」と考えた方が良さそうです。
また、4.0より前に、1.0~3.0が行われていたかというと、必ずしもそうは言えないと思います。
例えば、BtoBビジネスは、顧客との継続取引のために、信頼関係を築くことが優先されてきました。これは、マーケティング4.0に相当しているように思います。しかし、BtoBでは、マーケティング2.0の情緒的価値はあまり重視されないように思います。
マーケティングは、BtoCビジネスを中心に育ってきた学問なので、これは致し方ないのかもしれませんね。