マーケティング・マネジメント

こんにちは。やまもとです。

昔、勉強したマーケティングの記憶では、”マーケティング・マネジメント”はあまり覚えがありませんでした。

今回、マーケティング検定の公式問題集の解説を見て、マーケティング・マネジメントの作業プロセスは、私が「マーケティング戦略策定プロセス」と認識していたものと近いことが分かりました。

ただ、完全に一致しているわけでもなく、知らない点もいくつかあったので、それらを記録しておこうと思います。

目的

マーケティング・マネジメントの考え方は、2つに要約できます。

  1. 事業を発展させていくうえで不可欠となる顧客との関係を、創造し維持すること
  2. マーケティング・ミックスを統合し、内的一貫性外的一貫性を実現すること

2つ目の「内的一貫性」と「外的一貫性」は、通常の説明で用いられる「フィット」という概念と同じですね。フィットを、企業内部でのフィットと企業と環境のフィットに分けて表示しているようです。

作業プロセス

マーケティングを理解している人なら、マーケティングが次のようなプロセスを辿っていることは、違和感ないのではないでしょうか。

もちろん、このプロセス通りに進めなければいけないわけではなく、実践では行ったり来たりすると思います。例えば、製品はすでに決まっていて、顧客が明らかになっていない場合、ステップ④からスタートして、ステップ②に戻ることになったりします。

出典:河野安彦,「マーケティング検定2級試験 公式問題集&解説 上巻」(2020)

コンセプトの設定

STPについてはマーケティングの書籍を読めば必ず書いてあるので省略しますが、コンセプトの設定についてはあまり見たことがないので記録しておきます。

コンセプトの設定とは、「顧客にどのような便益を提供しようとしているのか」ということである。単なる製品の特徴やスペックではないことに注意したい。

出典:河野安彦,「マーケティング検定2級試験 公式問題集&解説 上巻」(2020)

つまり、価値提案ですね。

出典に記載されている例では、コードレス・スティック型掃除機の場合、「ワンタッチですぐに掃除が始められる」でも「軽くて楽に掃除ができる」でもコンセプトになります。そのため、適切なコンセプトを選び出す作業が不可欠になり、このときSTPで設定したターゲットとポジションとの一貫性が求められます。

内的一貫性

簡単に言うと、内的一貫性とは、

  • マーケティング・ミックスの4P(製品・価格・流通・プロモーション)が、パズルのように「ピタッとハマっている」かどうか

のことです。

マーケティング・ミックスを考えることに慣れていると、当たり前のように「ハマっているか」を考えています。でも、これを教えてもらった記憶はないですね・・・。

マーケティング・ミックスには、大きく分けて、プッシュ戦略とプル戦略というパターンがあります。この2つについて、上手くハマっている例を転記しておきます。

プッシュ戦略
・製品:今までにない特徴を持つ新製品を投入する
・価格:価格は高めに設定し、流通業者の利益を確保する
・流通:対面販売の小売り店舗を中心とした販売網を用いる
・プロモーション:販売員による店頭での説明や推奨を採用する

プル戦略
・製品:買い手が使用方法をよく知っている製品を投入する
・価格:買い手が購入しやすい低価格に設定し、流通業者の利益は削減する
・流通:全国チェーンのコンビニやスーパーを中心とした販売網を用いる
・プロモーション:テレビを中心としたマス広告を採用する

出典:河野安彦,「マーケティング検定2級試験 公式問題集&解説 上巻」(2020)

プッシュ戦略は、まるで押し出すように、メーカーが自社製品を流通業者に売り込み、流通業者の推奨によって買い手が購入するという取引の流れになります。

プル戦略は、引き寄せるように、プロモーションにより買い手に働きかけ、需要を換気し、購入しにきてもらうという取引の流れになります。

実践においては、プッシュ戦略とプル戦略の両方を同時に使うことが多いのではないでしょうか。

プッシュ戦略とプル戦略については、こちらの記事でも説明しています。

外的一貫性

外的一貫性とは、内的一貫性をもったマーケティング・ミックスが、マーケティング環境とも「ピタッとハマっている」かどうかのことです。

外的一貫性について、考えるべき要素・切り口を整理した記述は初めて見たので、ここに記録しておこうと思います。

マーケティング・ミックスの外的一貫性を考えるとき、次の4つの要因を考える必要があります。

消費:買い手にとって魅力的である。
競争:競合他社に対する優位性がある。
取引:取引関係を結ぶことが可能である。
組織:自社の組織で実行可能である。

出典:河野安彦,「マーケティング検定2級試験 公式問題集&解説 上巻」(2020)

ここで理解が難しいのは、「取引」ではないでしょうか。これは、顧客取引だけでなく協力企業との取引も含まれます。

例えば、自社単独で事業を行うのが難しい場合、流通業者や広告代理店、サプライヤーなどと取引を行うことになります。そのため、良い取引相手が見つからない場合、「取引」要素の一貫性が低いことになります。

別の例では、消費者がテレビをみて「欲しい」と思っても、近くで販売する小売店がなく購入できない場合があります。この場合はも、良い取引相手(小売店)が近くにないため、「取引」要素の一貫性が低いことになります。

なお、「組織」要素は、資金・人材・設備・技術・ノウハウといった、いわゆる経営資源があるかどうかを指しています。

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