こんにちは。やまもとです。
前回はブランド戦略の考え方をマーケティング検定のテキストを参考に書きましたが、ブランド戦略からブランディング施策を考えるには使用できる武器が何かを知っておく必要があります。武器に当たるブランド要素(Brand Elements)は、またKellerがまとめています。
そこで、今回はブランド要素とその選択基準を簡単にご紹介しておこうと思います。
ブランド要素
ブランド要素とは、ブランド・ネーム、ロゴ、シンボル、キャラクター、スローガン、ジングル、パッケージといったブランドの記号のことです。
これらの記号を用いて、消費者の視覚・聴覚・触覚といった感覚に訴え、言語的な意味を与えて、ブランド認知の向上やブランド・イメージの形成を図ります。
しかし、全ての記号が、消費者の3つ感覚全てに訴えたり、言語的意味を与えるわけではありません。
そこで、各ブランド記号が、どこに影響を与えるのかを整理すると次のようになります。
ブランディング施策では、ブランド戦略に合わせて、適切なブランド要素を選択しなければなりません。
ブランド要素の選択基準
しかし、適切なブランド要素を選ぶには選択基準が必要です。この場合では、選択基準とは思考の軸のことです。
選択基準には、大きく分けて「ブランド構築基準」と「ブランド防衛基準」があります。
ブランド構築基準
記憶可能性(ブランド認知)
- ブランド要素がどれだけ容易に思い出され、認識されやすいか
- 「覚えやすく」「目を引き」「見つけやすい」ことが必要
意味性(ブランド連想)
- ブランド要素がどの程度信頼でき、該当カテゴリーを連想させるか
ブランド防衛基準
移動可能性
- ブランド要素が、別の製品や別の地域・国でも使用できるか
適合可能性
- ブランド要素が、時代に合わせて修正や調整が可能かどうか
防御可能性
- ブランド要素が、どこまで法的に保護できるか(商標権、知的財産など)
- ブランド要素が、競合に対してどれだけ防御できるか
今回は、ブランド戦略の武器に当たるブランド要素について書きました。
5つの選択基準の全てを満足するブランド要素は存在しないので、実務上は異なるブランド要素を組み合わせる必要があります。
実際、1つのブランド要素だけで勝負することは少ないでしょう。
今回の記事は、ブランディングしなければならない業務にあたった際、思い出してもらえると役に立つかもしれません。