こんにちは。やまもとです。
ブランド・エクイティを構築するには、マーケティング・コミュニケーションという手段が必要です。しかし、マーケティング・コミュニケーションはマーケティングの故郷なので、概念や用語がとにかく多く、混乱してしまいます。そこで、簡単にマーケティング・コミュニケーションのキーワードを並べてみます。
マーケティング・コミュニケーション
マーケティング・コミュニケーションの定義
- 企業が自社の販売する製品やブランドについて、消費者に情報を発信することで、説得し、想起させる手段
- 具体的には、「広告」「販売促進」「イベントと経験」「PRとパブリシティ」「人的販売」「ダイレクト・マーケティング」がある
コミュニケーションの手段
広告
- 媒体を通じて伝達するメッセージ
- 媒体には、マス4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)、インターネット、屋外広告(看板、ポスター)、交通広告(電車、バス)など多数ある
- 広範囲に伝達できる反面、ターゲットにメッセージが届くとは限らない
販売促進(セールス・プロモーション、SP)
- 企業が顧客に対して、商品・サービスの働きかけを直接行い、購入意欲を高める手法
- 割引、クープオン、景品、イベント、ポイント付与などがある
- 購入意欲を即座に高めるが、長続きはしない
イベント
- ターゲットとなる聴衆にメッセージを伝達するための催事
- 記者会見、展示会、見学会などがある
- イベント経験を通して、参加者にブランドへの良好な感情を抱かせることが狙い
パブリック・リレーションズ(PR)
- 広報活動のこと
- 企業などの組織が、株主や取引先、一般消費者などに自社情報を提供して、適切な関係を保とうとする活動
パブリシティ
- 報道機関に情報を提供して、記事やニュースとして取り上げてもらうこと
- 掲載は保証されていないが、取り上げられると広く社会に周知される
人的販売
- 販売員が顧客に製品情報を提供し、購入意欲をますように働きかけ、説得する行動
- 媒体よりも即時的な効果が期待できるが、販売員個人の資質能力に左右される
- 販売員の教育訓練が必要
ダイレクト・マーケティング
- ターゲット消費者と直接的コミュニケーションを行い、反応や対話を求めること
- ダイレクトメール、テレ・マーケティング、カタログ・マーケティング、オンラインショップなど
- 「個人」を対象に、異なる情報を発信することができる
コミュニケーションの設計
メッセージ戦略
- 消費者に「何を」伝えるか
- 類似点連想または相違点連想を確立することが狙い
- メッセージ内容、メッセージ構造、メッセージ表現方法の3視点から検討する
クリエイティブ戦略
- 消費者に「いかに」伝えるか
- メッセージを特定のコミュニケーションに転換することが目的
- 「情報型アピール」と「変容型アピール」のどちらかを検討する
メッセージの発信源
- 消費者に「誰が」伝えるか
- 多くの人の注意を引き、強く記憶に残すことが狙い
- 発信源の「専門度(専門性)」「信用度(信用性)」「高感度」を検討する
類似点連想
- ひとつのブランドだけでなく、複数のブランドで共有した連想
相違点連想
- 一つのブランドを肯定的に評価し、競合ブランドでは見つからないと信じている属性や利点に基づく連想
メッセージ内容
- 視覚的内容と聴覚的内容に分けられる
- 視覚的メッセージは、言語と画像に分けられるが、画像の方が記憶に残りやすい
メッセージ構造
- メッセージの伝え方の構成のこと
- 最初に結論を伝える方法や、起承転結で伝える方法など
情報型アピール
- 製品の属性や利点について直接言及するアピール方法
- 問題解決型(「効いたよね、早めのパブロン」)、製品デモ型(「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」)、有名人推薦型、競合比較型などがある
- 消費者の理性的な情報処理を前提としている
変容型アピール
- 製品とは直接関係しないイメージを伝える方法
- 利用者イメージ型(どのような人が使用するのか)、利用体験イメージ型(どのような経験がもたらされるか)などがある
- 消費者の感情や情緒に働きかけるため、製品の印象が薄くなることがある
専門度(専門性)
- 伝える側が持つ専門知識のこと
- 広告メッセージに信憑性を与えるため
- 専門家の意見を伝える方法(専門家を登場させる)、第三者機関のテスト結果を伝える方法(数値を見せる)などがある
信用度(信用性)
- 発信源が正直であると、消費者に受け止められること
好感度
- 発信源の魅力のこと
- 正直さ、ユーモア、ナチュラルさ、消費者と類似点の多いことが、高める要素になる
コミュニケーション・チャネル
人的コミュニケーション・チャネル
- 人間が直接コミュニケーションを図るもの
- 人的販売、チャット、クチコミ効果、バズ・マーケティングが含まれる
非人的コミュニケーション・チャネル
- 個人的な接触によらずメッセージを伝える媒体(メディア、雰囲気、イベント)
クチコミ効果
- 購買者が友人や近しい人に製品の話をすること
バズ・マーケティング
- オピニオン・リーダーやインフルエンサーを使って、コミュニティ内に製品の情報を広めてもらう方法
メディア
- 印刷媒体、放送媒体、ディスプレイ媒体、インターネット媒体などがある
雰囲気
- 購買者に製品を買おうと思わせる空間や環境のこと
- 例えば、弁護士事務所は顧客に信頼されるように設計されている
コミュニケーションの予算設定
支出可能額法
- 経営陣が支出可能と考える範囲で、予想売上から予算を設定する方法
- 売上に対する効果が無視されている
- 長期的なマーケティング計画を立てにくい(年間予算が予定できないため)
売上高比率法
- 売り上げ実績または予想売上高に一定の比率を掛けた額を、予算として設定する方法
- 売上高や販売数量との関係が把握しやすい
- 売上が販売促進を決めるという逆転構造になっている(通常は、販売促進によって売上を伸ばす)
- 毎年予算が変わり長期計画が作れない
- 掛ける比率に根拠はない
競争者対抗法
- 競合他社の支出に合わせて、コミュニケーション予算を設定する方法
- 他社と横並びで予算を立て、コミュニケーション競争の回避が目的だが、回避できる根拠はない
- 自社と他社では事情が異なるため、他社と比較してもあまり意味はない
目標基準法
- コミュニケーション目標を設定し、必要なタスクのコストを見積もる予算設定方法
- 経営陣は、支出額・露出頻度・試用率・固定客数の関係を説明する必要がある
- 多くの場合、目標達成に必要なタスクがよく分からない
コミュニケーション・ミックス
コミュニケーション・ミックスとは
- 定義:効果的なコミュニケーションを行うための最適な手段の組み合わせ
- 目的:コミュニケーション・ツール間のシナジーの発揮が狙い
- 手法:大きく分けてプッシュ戦略とプル戦略があり、多くの場合、両方を組み合わせる
- 観点:「製品タイプ」「消費者の購買準備段階」「製品ライフサイクル」を考慮に入れる
プッシュ戦略
- 自社営業や流通業者への販売促進によって、流通業者に自社製品の説明や推奨を促す方法
- 人的販売、販売促進が中心
プル戦略
- 消費者の需要を喚起させ、消費者に小売店での指名買いを促し、流通業者から自社製品の注文を引き出す方法
- 広告、パブリシティなどが中心
製品タイプ
- 消費財(B2C)と生産財(B2B)では、企業のマーケティング・ミックスの効果的な方法が変わること
- B2C企業:「広告」>「SP」>「人的販売」>「パブリシティ」
- B2B企業:「人的販売」>「SP」>「広告」>「パブリシティ」
消費者の購買準備段階
- 消費者がどの準備段階によって、効果的な方法が変わること
- 認知段階:広告・パブリシティが重要
- 理解段階:広告・パブリシティが重要
- 確信段階:人的販売が重要
- 注文段階:人的販売・販売促進が重要
- 再注文段階:販売促進・人的販売が重要
製品ライフサイクル
- 製品ライフサイクの段階に応じて、効果的な方法が変わること
- 導入期:【プッシュ】販売促進(製品理解)、【プル】広告やパブリシティ(認知度向上)
- 成長期:【プル】広告とパブリシティ、クチコミ効果(需要喚起)
- 成熟期:【プッシュ】人的販売と販売促進(売上維持)、【プル】広告(イメージ維持)
- 衰退期:【プッシュ】販売促進
統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)
- 製品・チャネル・価格(マーケティング4P)を含めて、消費者と接触するあらゆるコミュニケーション手段を統合的に管理していく考え方
- メディアミックス(複数媒体の広告戦略)だけでなく、クロスメディア化(ITとの連携)がすすむ
- 従来、広告部門・営業部門・広報部門などで異なる目標・予算編成がなされ、メッセージに矛盾が生じていたため
プル戦略:広告
広告反応モデル
AIDAモデル
- 人的販売を念頭に開発された消費者の反応プロセス
- 「注目(attention)」→「関心(interest)」→「欲求(desire)」→「行為(action)」
AIDMAモデル
- マス媒体(新聞、雑誌)を前提に、広告を見てから買うまでの時間を考慮した、記憶(memory)を追加した反応プロセス
- 「注目(attention)」→「関心(interest)」→「欲求(desire)」→「記憶(memory)」→「行為(action)」
AISASモデル
- ネット時代に合わせて「探索(search)」や「共有(share)」を追加して反応プロセス
- 「注目(attention)」→「関心(interest)」→「探索(search)」→「行為(action)」→「共有(share)」
イノベーション採用モデル
- 新製品が消費者に受け入れられるまでを辿った反応プロセス。「試用」が特徴的。
- 「知名」→「関心」→「評価」→「試用」→「採用」
情報処理モデル
- 受け手が情報処理者・問題解決者であること前提にした反応プロセス。「記憶」が特徴的。
- 「提示」→「注目」→「理解」→「同意」→「記憶」→「行動」
5Aモデル
- コトラーらが提唱した、カスタマージャーニーのモデル
- 「認知(aware)」→「訴求(appeal)」→「調査(ask)」→「行動(action)」→「推奨(advocate)」
広告の目的別類型
広告目的
- 一定期間内に成し遂げるべき、特定の顧客を対象とした特定のコミュニケーション・タスク
情報提供型広告
- 顧客に認知されていない製品や製品カテゴリーの価値を認識されること(初期需要の喚起)を目的とした広告
- 新しい製品カテゴリー、新製品、既存製品の新しい特徴のブランド認知を生み出す方法(導入期)
説得型広告
- 自社製品のメリットを伝え、顧客に自社製品を選ぶように説得すること(競合他社との差別化)を目的とした広告
- 市場競争が激化や、価格競争に陥った際に重要になる方法(成長期)
リマインダー広告
- 顧客とのリレーションシップを維持し、顧客に忘れられないようにすることを目的とした広告
- マーケットリーダーは、顧客に「さらに使ってもらうために刺激を与えること」を目的とする
- マーケット・リーダー以外は、「自社ブランドがいかに優れているかを納得させること」を目的とする
- 成熟期の製品にとって重要となる方法(成熟期)
広告予算の設定
予算設定の観点
- 製品ライフサイクル
- 新製品では多額の予算が必要、確立したブランドでは広告費割合は小さい
- 市場シェアと消費者基盤
- 市場シェア獲得を目論む場合、多額の予算が必要になる
- 競争企業と広告状況
- 他社が巨額の広告費を投じている市場では、見劣りしなために多額の予算が必要となる
- 広告頻度
- ブランドを認知してもらうために広告を繰り返すほど、多額の予算が必要になる
- 製品の代替性
- 製品がコモディティになると、差別化のために多額の広告費が必要になる
アドバーテインメント
- 広告そのものに、娯楽性や有益性を与え、人々にその広告を見たいと思わせる方法
ブランデッド・エンターテインメント
- ブランドを他のエンターテインメントに組み込み、一体化させる方法
- 例:テレビ番組や映画の中で、ブランドを使ってもらうこと
広告メッセージの作成
顧客価値の明確化
- 効果的な広告メッセージを作成するための第一歩
クリエイティブ・コンセプト
- 広告メッセージを独特で印象に残るものにすることが目的
- 広告メッセージを広告キャンペーンへと変化させる
- アピールポイントが決定される
アピールポイントが備えるべき特徴
- 顧客への価値が明示され、顧客の興味が高まること
- 製品やサービスの価値に対して、顧客が信頼感を持てること
- 他社と比べて特有のものであること
トーン&マナー
- 広告全体によって醸し出される雰囲気や印象のこと
- ブランドのイメージや世界観が一貫するように保つ必要がある
印刷広告デザインの観点
- ビジュアル・・・最初に目にするため、関心を引くものでなければならない
- ヘッドライン・・・ターゲット顧客を効果的に引き込むことが必要
- コピー・・・簡潔で、力強く、納得性のあるものが求められる
広告媒体の選定
広告媒体の選定ステップ
- リーチ、フリークエンシー、GRP、インパクトの決定
- 媒体タイプの選択(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネット、屋外、ダイレクトメール)
- 媒体ビークルの選定
- 媒体タイミングの決定
リーチ
- 広告到達範囲のこと
- ある一定期間にターゲット市場の何%が広告キャンペーンに接触するかを測定
フリークエンシー
- 広告到達回数もしくは露出頻度のこと
- ターゲット市場の人物に対して、設定期間内に何回メッセージに接触するかを測定
GRP(Gross Rating Point)
- 延べ視聴率もしくは到達総量のこと
- リーチ×フリークエンシーで算出したもの(例:30%×10回=300GRP)
インパクト
- 特定の媒体を通して伝えられるメッセージの質的な価値
- 例:タブロイド紙よりも、日本経済新聞の方が信頼性は高い
- 例:実物提示の場合は、ラジオよりもテレビの方がインパクトは大きい
テレビ
- 長所:視覚と聴覚による訴求、広いカバレッジ
- 短所:高コスト、対象を絞りにくい、メッセージが短命
新聞
- 長所:高い柔軟性、広いカバレッジ
- 短所:視覚のみの訴求、メッセージが短命
雑誌
- 長所:対象を絞りやすい、メッセージが長命
- 短所:視覚のみの訴求、低い柔軟性
ラジオ
- 長所:低コスト、対象を絞りやすい
- 短所:聴覚のみの訴求、メッセージが短命
インターネット
- 長所:対象を絞りやすい、双方向性がある
- 短所:消費者によるデバイスを通じたアクセスが必要
屋外
- 長所:高い反復率、低コスト
- 短所:特定の地点に限定、対象を絞りにくい
ダイレクトメール
- 長所:対象を絞りやすい、多くの情報を提供
- 短所:低い閲覧率、顧客のアドレスが必要
トリプルメディア
- 各メディアを、企業のコミュニケーション活動における役割から整理したもの
- ペイド・メディア、オウンド・メディア、アーンド・メディアの3つに大別したもの
ペイド・メディア
- 料金を支払って(Paid)利用するメディア
- 例:テレビ、新聞
オウンド・メディア
- 自社で所有している(Owned)メディア
- 例:カタログ、企業サイト
アーンド・メディア
- 消費者が自発的な情報発信に用いるメディア
- ブランドの評判を得る(Earned)が期待される
- 例:SNS
R3コミュニケーション・モデル
- 「企業/ブランド」「消費者」「サポーター」を要素として、トリプルメディアの使いどころと目標を記述したモデル
- ペイド・メディア:「企業/ブランド」→「消費者」、自分事化(Relevance)すること
- オウンド・メディア:「企業/ブランド」⇄「サポーター」、パートナー化(Relationship)すること
- アーンド・メディア:「サポーター」→「消費者」、評判化(Reputaion)すること
媒体ビークル
- 媒体の特定の銘柄のこと
- 例:「読売新聞」「朝日新聞」「毎日新聞」「日本経済新聞」など
- 銘柄の選定では、CPM(Cost Per Mil)を算出して比較する
CPM
- メッセージが1000人に到達するのに必要なコスト
- 一般に、テレビは高く、新聞・雑誌はそれほど高くない
媒体タイミング
- 媒体への出稿スケジュールのこと
- 出稿タイミング、露出タイミングとも言う
- マクロスケジュールとミクロスケジュールを決める必要がある
マクロスケジュール
- 季節や景気循環に応じて決定するスケジュール
- 例:入学シーズン、夏季休暇シーズン、年末シーズンなど
ミクロスケジュール
- 短期間で広告効果を最大限に発揮するために、広告費を配分すること
- 一回集中型:所定期間に広告メッセージを集中させる方法
- 連続露出型:所定期間に連続的かつ均等に露出させ方法
- 断続露出型:所定期間に休止期間を置きながら、断続的・分散的に露出させる方法
- 波状型:平時は低水準の広告にし、重要なタイミングで大きな波を作る方法
広告の評価
コミュニケーション効果
- 広告メッセージが効果的に伝達されているか
- 広告前の測定方法:広告を消費者に見せて、「気に入ったかどうか」「思い出せるメッセージ」「態度の変容」を問う
- 広告後の測定方法:「消費者の記憶」「製品の認知・理解・選好」への広告の影響を問う
売上効果
- 売上の伸長に対する広告の影響のこと
- 売上向上は複合的要因で実現するため、広告のみの効果を抽出するのは難しい
プッシュ戦略:販売促進
流通業者向けプロモーション(メーカー→流通業者)
アロウワンス
- 流通業者の販売の努力に対して、メーカーから支払われる金銭的見返り
- メーカーが集中的に特定の商品の販売を伸ばしたいときに使われる
リベート
- 比較的長期(半期・年度)にわたる期間の販売努力に対して支払われる金銭的見返り
コンテスト
- メーカーが流通業者向けに特定のテーマを定めて行うプロモーション
- 例:販売コンテスト(上位者に景品や賞品を与える)
特別出荷
- メーカーが流通業者からの仕入れを促進するために、流通業者にとって有利な条件で取引する方法
- 例:10ケースの注文に、9ケース分の価格で出荷する
販売助成
- メーカーが自社製品の販売を促進するために、小売業の販売活動を支援すること
- 例:POP広告や陳列用具の提供
消費者向けプロモーション(メーカー→消費者)
サンプリング
- 消費者に対して試供品を提供すること
クーポン配布
- 消費者に「クーポン(割引券)」を配布すること
スイープ・ステイクス
- 懸賞やくじのこと
プレミアム
- おまけのこと
増量パック
- 価格を据え置きながら、一定期間、通常より多くの個数や容量で製品を提供すること
バンドル
- 複数の商品をまとめて販売する方法
- まとめて購入する際は、1個あたりの単価を下げる
キャッシュ・バック
- 商品購入時に受け取る領収書などを送付すると、メーカーが顧客に対して一定の現金を払い戻すこと
小売業者によるプロモーション(流通業者→消費者)
値引き
- 通常価格よりも値段を下げて販売すること
- 販売促進だけでなく、消費者を店頭に誘引する
- 長く続けると、消費者が値段に慣れてしまう
特別陳列
- 店内の動線上で消費者の目に留まりやすい場所に商品を陳列すること
- エンド陳列:販売コーナーの端に陳列する
- 島陳列:通路上の空きスペースに商品を積み上げて陳列する
チラシ広告
- 店舗の近隣住民に、チラシを配布すること
- 新聞の折込チラシ、ポスティング、駅前配布、ティッシュ配布など
実演販売
- 販売員が自社製品を実際に使ったデモンストレーションを行うこと
- スーパーでの試食、衣料品店で自社ブランドを販売員が着るなど
販売促進の効果など
ブランド・スイッチ
- 今まで使っていた製品から、競合他社の製品に乗り換えること
- 販売促進では、ブランド・スイッチャーを増やすことが多い
- ブランド・スイッチャーは、ロイヤルティの高い顧客にはなりにくい(すぐにスイッチしてしまうため)
ロイヤルティ・プログラム
- プレミアム・グッズや一定期間利用した購入者にインセンティブ(ポイントなど)を与えること
- ブランド・スイッチを防ぎ、顧客のブランドや店舗へのロイヤルティが高まる
- マイルなどの長期的販売促進は、CFB戦略(Consumer Franchise Building)とも呼ばれる
市場シェア拡大
- ブランド間の差異が小さい→短期的な売上向上
- ブランド間の差異が大きい→長期的な市場シェア拡大
広告と販売促進の併用
- 短期的なプロモーションと長期的な広告効果が共食いする場合がある
- 例:値下げを頻発すると、値下げ時しか購入されず、ブランド・イメージを損なう
Hi-Lo型価格プロモーション
- 店頭価格を日によって割引する方法で、特売戦略ともいう
- 計画的にロス・リーダーを準備する
- チェリー・ピッカーの増加や平常時の購買数量減少という問題点がある
ロス・リーダー
- 特に安い商品(目玉商品)のこと
チェリー・ピッカー
- 特売狙いの顧客のこと
非価格プロモーション
- 値下げをしない店頭プロモーションのこと
- 例:POPや販促ツールの設置など
ということで、マーケティング・コミュニケーションに関わるキーワードを一気に並べてみました。
「これってどういう意味だっけ?」というときにお使いいただければ幸いです。