こんにちは。やまもとです。
相変わらず、マーケティング検定の勉強をしています。
今回は、価格変更をする理由と、協合他社が価格変更してきたときの対応について、まとめておきます。
多くの方には当たり前のことと感じるでしょうが、初めて学ぶ人には参考になるかもしれません。
消費者の価格比較
私たちが商品を購入する場合、競合品や代替品の価格と比較します。
どの商品を競合品や代替品と考えるかは、情報収集を通して、私たちの頭の中で決まります。
このとき、もし競合品や代替品と比べて、価格が高すぎればその商品を選択しません。一方で、多少気になる点があったとしても、価格がお手頃であれば購入することがあります。
そのため、競合品や代替品の価格が高ければ、自社製品もそれだけ高い価格設定が可能となり、逆に競合品や代替品の価格が低ければ、自社製品の価格も低く設定せざるを得ません。
その結果、市場競争の一環として価格変更が行われています。
価格変更の理由
競合品との価格が均衡している状況で、1つの企業が価格変更を行う理由をまとめると次の図になります。
生産コストが上昇した場合は利益を確保するため、過剰な需要がある場合は利益率を上げるために、企業は値上げしようとします。2020年にマスクが異常なほど高値になったのは、過剰な需要が発生し、生産が間に合わなくなったためですね。
ただし、値上げは消費者の購買意欲を後退させるので、価格が高くでも購入する意味があることを消費者に認識してもらわなければなりません。2020年のマスク需要の場合は社会状況によってほとんどの人々に必要性が認識されていましたが、通常は消費者に知覚してもらうためにプロモーションなどを行わなければなりません。
一方、生産量が過剰な場合は売上や市場シェア拡大のため、生産コストが低い場合は販売量増加のため、企業は値下げしようとします。
しかし、前者の値下げは、競合他社が市場シェアを維持しようとするため、価格競争を引き起こす可能性があります。
価格変更をしない方法
価格競争が起こると利益を減らして値下げするため、企業にとってメリットがあまりありません。そのため、価格を維持しながら、実質的な値上げや値下げを行うことがあります。その理由について、下図にまとめました。
販売量を維持しつつ利益の拡大を狙う場合、企業は実質的値上げを行うことがあります。
よく見かけるのは、同じ価格で容量が減った商品でしょうか。他にも、企業努力で原材料費を下げたり、スーツの上下を個別に高値で販売するようなアンバンドル化が行われています。
一方、販売量の拡大を狙いつつ価格競争を回避するため、企業は実質的値下げを行うことがあります。
よく見かけるのは、ファーストフードのセット販売のように、いくつかの商品を組み合わせて(バンドルして)低い価格で提供する場合でしょうか。他には、現在の商品やブランドはそのままにして、廉価版の商品やブランドを投入するといった方法が使われます。例としては、ユニクロに対するGUがあるでしょうか。
価格変更への対応
競合他社が価格変更を行ってきた場合、どのように対応すれば良いでしょうか?
この対応方針については、競争地位と対策コストの2軸から、下図のように整理されています。
まず、価格変更を行ってきた競合他社に対して、自社が競争優位にあるのかどうかを考えます。競争優位であれば、攻勢に打って出るかどうかを考えます。一方、競争優位でなければ、逃げるか守るかを考えます。
次に、競合他社の価格変更によって予想される売上減少分(あるいは利益減少分)と、対策コストを比較します。もし、競争優位で対策コストが過剰ならば、無理をせず「無視」しても良いでしょう。もし競争優位で対策コストも適正であれば、「反撃」に出て競合他社の価格変更を無意味にしてしまいます。一方、競争優位でない場合は、対策コストが過剰ならば、競合他社が参入しにくいニッチ領域へ逃げ、「適応」します。対策コストが適正であれば、守備を固める対策を実施し「防御」に徹することになります。
ということで、価格変更の理由や、価格変更への対応についてまとめました。
これで価格関連の勉強は、一区切りしました。
次回からは、次の話題に移ろうと思います。