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経営の力学⑤|企業成長の標準モデル

こんにちは。やまもとです。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広著)がついに出版されたので、このシリーズの振り返りをしています。「経営戦略の実戦1ー高収益事業の創り方ー」についてはこちらの記事に、「経営戦略の実戦3ー市場首位の目指し方ー」についてはこちらの記事にまとめました。今回は、「経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」について、ざっくりまとめてみたいと思います。

この記事は、どんな内容だったか振り返るときに見れたらいいかなと思っています。各ケースや分析の詳細は、書籍自体をお読みください。実は、各ケースの具体的な内容も面白いです。

第1巻は「収益率」が、第3巻は「占有率」がテーマでした。これに対し、第2巻は「成長率」がテーマになっています。

分析対象

母集団

参考書籍の分析では、2015年6月末時点で上場していた2,239社のうち、売上高が1965年度まで遡って入手できた企業(社史等によって入手可能な場合を含む)836社を母集団としています。この母集団から、次のような条件を貸すことで、分析対象を110ケースに絞り込んでいます。

  • 対象期間:1965年度〜2015年度(836社)
  • 成長企業条件:50年間の実質ベースの年平均成長率(CAGR)が5%以上(176社)
  • 安定成長条件:(決定係数)×(成長率)が0.05より大きい(118社)
  • 最終調整:未上場企業との合併など成長率が算定できないケースを除外(110社)

分析軸

収益性

第1巻の分析期間である2000年度から2009年度の間の10決算を対象として、各ケースを次のように分類しています。

  • 高収益:加重平均売上高営業利益率が、10%より大きいケース
  • 中収益:加重平均売上高営業利益率が、5~10%のケース
  • 低収益:加重平均売上高営業利益率が、5%未満のケース

成長エンジン

成長を牽引した主な理由を、以下の3つに分類しています。

  • 海外進攻:海外事業が成長エンジンの場合
  • 事業新興:国内外を問わず新規事業が成長エンジンの場合
  • 国内深耕:国内の既存事業が成長エンジンの場合

勝因

勝因の説明として使用される用語を定義しておきます。

  • 立地:誰を相手に何を売るのか
  • 構え:売ると決めたものをいかに入手して売ると決めた相手に届けるのか
  • 製品:個々の製品をいかに魅力的に仕立てるのか
  • 管理:いかにして各製品のQCD(品質・原価・納期)を守るのか
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分析結果

高収益パターン

10年間加重平均営業利益率10%以上を維持したまま年間成長率5%以上で成長し続けた最強の成長パターンで、分析対象の110社中、30社(27%)が該当します。第1巻の安定高収益条件を満たすのは19社(17%)でした。高収益の原因が政府規制や会計規定に由来する業種を除外すると、安定成長×高収益だった企業は20社(18%)、安定成長×安定高収益だった企業は10社(9%)でした。

海外進攻

対象は10ケースあり、そのうち6ケースは安定高収益でした。抽出された業界は、電機、化学、機械、輸送に限られ、地方創業かつ強力なトップが率いているといった特徴があります。海外進攻パターンには、①能動的に進攻するケース(能動群)と川下の変化にひきづられて②受動的に進攻するケース(受動群)の2つがあります。

能動的進攻

能動的進攻の動機は、推進者の自立願望で分けられます。

  • 業界からの自立:自社を国内の業界秩序から解放すべく海外侵攻に打って出た
  • 先代からの自立:同族経営者の2代目以降が先代を越えるべく海外侵攻に打って出た

■成長パターン

まずは祖業に近いところで勝ち目のある事業立地に先着し、そこで製品ラインを拡げすぎることなく拡充して、勝てる陣形を固めたあとで欧米に打って出て、余勢を駆ってアジアや南米に攻め込んでいく

■戦略の要諦

手を出せば届いてしまう範囲に相応の規模の市場があるのに、安易な隣地侵攻を自制する。持てるエネルギーを海外進攻に集中させるからこそ、成果が上がる。並みの大企業なら組織の中間階層が経営判断を仰ぐことなく据え膳に手をつけてしまうところで、統制が効いている。

■高収益の源泉

コスト優位は裏切らない。地味で目立たないものの、確実に高収益に結びつく。占有率が上昇するプロセスで成長をもたらす効果も期待できるため、エリート中のエリートになるための必要条件であることは間違いない。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
受動的進攻

受動的な海外進攻は、最先端への知的好奇心が動機となっています。

  • 海外への好奇心:先行する海外の技術を国内に持ち込み、国内市場を深耕した後、海外に打って出た(B2B向け)
  • 顧客への好奇心:顧客のニーズを探索し続け、製品改善で競争力を高めた後、海外に打って出た(B2C, B2P向け)

ただし、このパターンは、スマートフォン市場のような市場爆発の波に乗れたことが、成長の重要なポイントにもなります。市場爆発の波に乗るには、それまでに製品優位を確立していたことがポイントになります。そして、製品優位を確立するには、「小さな池の大きな魚」を志向し、事実上の市場独占を作り出す必要があります。

■成長パターン

重層的な産業革命を推進する業界の川上に陣取って、勝ち目のある事業立地に先着する。そこで製品優位を確立し、世界市場を制圧する顧客に食らい付いていけば、自ずと成長は実現する

■戦略の要諦

製品に対する要求が高度な顧客を発掘し、そこに照準を合わせることで技術を極限まで深耕し続けることが、後の世界市場制圧につながっていく。事業次元だけでなく、顧客次元でも自制を利かせるところに鍵がある。

■高収益の源泉

1社で間に合う程度の規模しかない品番に先着すれば、事実上の独占、そして高収益がミクロ次元で成立する。製品優位は、そういう品番を掘り起こすマーケティングで確立することもできる。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

事業新興

新規事業を主事に据えた成長パターンは、高収益パターンの中では最も安定性が低いです。これは、新規事業が成長し続けることを読み切ることが難しいためです。

対象ケースは10ケースで、安定高収益は4ケースでした。抽出された業界は、電機・化学・精機で、10ケース中6ケースが創業地が東京でした。新興事業が生まれやすい場所や業界があるのかも知れません。

事業新興パターンは、①シリアル転地のケース(逐次転地)と②ワンショット転地のケース(一発転地)の2つに分けられます。「転地」とは、主業の交替のことを表します。

逐次転地

逐次転地は、事業のコアから発散するように次から次へと新興事業を立ち上げることです。事業コアの違いによって2つに分類されます。

  • コア技術:確たるコア技術を保有する企業が、技術を応用して新興事業を次々に立ち上げる
  • コア顧客:顧客業界を固定して、辺境ニーズから本丸ニーズへ攻め上がるように新興事業を次々に繰り出す

このパターンは、受動的進攻パターンの試行錯誤が長く続いたパターンと解釈することができます。新興事業が立ち上がった後、海外侵攻に打って出れば、まさしく受動的侵攻パターンとなります。どちらのパターンも、源泉が技術か顧客になるのは、本質的に同じパターンだからと考えられます。

■成長パターン

まずは祖業に近いところで新興事業に挑戦し、そこを足場として次の挑戦に乗り出していく。このプロセスを、独走する事業を引き当てるまで繰り返すと、出発点から遠く離れた立地で世界市場を制圧する日が訪れる。好立地には重層的な産業の革命に絡むものが目立つ。

■戦略の要諦

B2B企業が飛び地に橋頭堡を築くには、ユーザーと連携したり、そこに知見を持つ企業を買収する策が重要となる。逆に社外リソースの活用さえ視野に入れるなら、飛び地への挑戦をタブー視する必要はない。相手を惹きつける鍵はユニークな技術または販路である。

■高収益の条件

先着した事業立地には、開拓者利益が発生する。後発のフォロワーとの時間差が製品優位に移行するなら、その利益は持続する。さらに選びとった立地が顧客から見てミッションクリティカルであれば、利益は増幅する。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
一発転地

一発転地は、既存事業からは離れた隔地で新興事業を立ち上げ、それを成長させて主業を置き換えるパターンです。転地方法によって2つに分けることができます。

  • 吸収合併:跳躍の触媒となる外部リソースを、海外企業のM&Aで獲得するパターン
  • 緩い連携:跳躍の触媒となる外部リソースを、異色人材の採用や他社連携で獲得するパターン

■成長パターン

祖業に近いところで「小さな池」の新興事業に挑戦して、それを深耕することによって「大きな魚」に成り上がると同時に市場を「大きな池」に育てていく。そして機が熟すのを待って外部リソースを導入し、メジャーな飛び地に打って出る傍らで海外進攻を開始する。

■戦略の要諦

一発転地を成功させるには、一発に至る前に準備期間を設け、そこで窮乏を凌ぎつつ間合いを計ることが肝要である。時機、または潮目の大変化点を的確に捉えれば、世の中にゲームチェンジを訴求することができるようになり、成長の追い風を背中で受けることになる。

■高収益の条件

目の覚めるような転地に至る前の主業が高収益でなければ、そもそも一発転地は望めない。強固な足場、もしくはキャッシュカウ事業を先に確立しているからこそ、一発転地に懸けることが許される。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

国内深耕

国内深耕とは、主業や副業を時代環境に適合させつつ、市場を拡幅したり単価を引き上げていくことを指しています。

対象ケースは11ケースで、その内9ケースが安定高収益でした。業種は不動産と製薬に限られ、どちらも政府規制や会計規定などの人為的理由で高収益に見える業種です。うち1ケースは高収益条件を満たしていませんが、不動産業として比較するために含められています。

国内深耕パターンは、①不動産(単価高騰系)と②医薬品(市場膨張系)の2つに分けられます。

単価高騰

不動産の場合は、基本的に地価の高騰によって成長しています。成長パターンは、東京都心か都心近郊の2種類に分けられます。

  • 東京都心:オフィス賃料と住宅分譲を中心とし、東京都心を中心とした地価の高騰によって単価が向上したパターン
  • 都心近郊:取扱物件をオフィス・住宅・商業施設と総合化し、路線開発などで近郊の地価を値上がりさせたパターン

■成長パターン

同じ不動産でも需給の乖離が顕著な東京都心エリアに地盤を確保していれば、自ずと地価が高騰して売上も拡大する。さらに都心近郊で賃貸、分譲、管理、流通、工事、監理、運営、組成のすべてを網羅すべく不動産総合化路線を歩んでいれば、量的拡大効果も取り込める。

■戦略の要諦

不動産では、逆張りに勝つことが肝要である。屑地をタイミング良く仕入れて事後に需要を喚起するか、いまだ顕在化していない需要を見抜いたうえで屑地を仕入れたところが、息長く成長する。

■高収益の源泉

不動産の子収益を支えるのはオフィス賃貸事業である。会計上の理由もさることながら、ミクロなエリア内、そして特定の時点では、競合物件が限定されるため、原理的には受動的進攻パターンと同じことになる。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
市場膨張

医薬品の特に処方薬は、政府によって薬価が決められるため、単価高騰による成長は起こりません。そのため、安定成長は以下の2つのパターンになりました。

  • 創薬:新薬開発に成功し、新薬市場が大きく膨張したことで成長したパターン
  • 転地:安価な大衆薬から単価の高い処方薬にステップアップすることで成長したパターン

■成長パターン

前段ステップを踏まない直行型もあるし、移行タイミングの早い遅いもあるが、卸売から大衆薬、そして処方薬へとシフトするのが基本線である。あとは処方薬で大型新薬の開発に成功すれば、息の長い成長が約束される。

■戦略の要諦

製薬では欧米大手との向き合い方が明暗を分けている。多角化に逃げたところや、正面から対抗したところは、成長していない。成長したのはニッチ領域に徹したところで、同族経営者が領域選択をリードした。

■高収益の源泉

製薬の高収益を支える薬は、意外とニッチなものが多い。欧米の製薬企業が生死を分ける抗がん剤の類に注力するなかで、患者にとって深刻な悩みなのに頼るものが他にないという処方薬が高収益を生みやすい。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
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低収益パターン

10年間加重平均営業利益率5%未満と利益を犠牲にして年間成長率5%以上で成長し続けたパターンで、分析対象の110社中、42社(38%)が該当します。これは、成長にも良い成長と悪い成長があることを示していおり、数のうえでは悪い成長(低収益パターン)が良い成長(高収益パターン)の30社を上回ります。

海外進攻

対象ケースは15ケースあり、業種が実質的に自動車と電機に偏っています。この偏りは、業界全体に外生的な成長圧力があったことを示しています。言い換えると、ここに分類された企業は、業界全体の追い風に乗って成長したものの、利益率を改善する努力をほとんどしなかったということなのかもしれません。

自動車

自動車業界には数多くの関連企業があり、大きくは完成車メーカーと部品メーカーに分けられます。しかし、低収益になる理由は、市場を独占できず、規模の経済性を発揮できないためとほぼ共通しています。

■成長パターン

祖業から自動車関連に転地すると、業界全体の急拡大に遭遇した。生産能力を拡大して追随する一方で、製品ラインを逐次的に拡幅していけば、自ずと成長は実現する。そこから先は北米、そしてアジアに進攻して、成長を長らえている。

■戦略の要諦

同じ自動車業界に陣取っても成長率に差がつくのは、手がける売り物の搭載率や単価動向にバラツキが生じるからである。売り物の高度化が止まないところでは、成長が持続しやすい。

■低収益の理由

需要爆発の波に乗ったとしても、市場を制圧できなければ必ずしも高収益は約束されない。多品種生産が不可避で、規模の経済が効かなければ、成長も収益改善に結びつかない。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
電機

電機業界も重層的な産業構造をしており、完成品メーカーと部品メーカーに分けられます。しかし、低収益の理由は、マクロな立地選択が凡庸で、競合企業の増加に伴い、価格競争に突入したためと共通しています。つまり、最初の一歩の間違いだったということかもしれません。

■成長パターン

まずは事業の立地を選び取る段階があり、そこから先は用途および製品ラインを拡充していけば、自ずと成長は実現した。そこから先は米国、そしてアジア諸国に市場を広げている。

■戦略の要諦

伸長著しい電機業界で、日本企業は比較優位を発揮したと言われるが、海外進攻を原動力として成長した専業メーカーは意外に少ない。ピンポイントで事業の立地を絞り込む工業マーケティングの勝負となるからである。

■低収益の理由

マクロ次元の立地選択が凡庸では、ミクロ次元で工業マーケティングを駆使しても、追随企業を振り切ることは難しい。となれば、時間差で稼ぐ期間はあっても価格競争に突入する展開を免れない。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

事業新興

新規事業がいつまで成長し続けるかを読み切ることが難しいため、事業新興による成長は安定性が低いです。ここに分類されたケースは、実際にそのリスクが露呈したケースになっています。

対象ケースは14ケースで、10ケースは電機関連業界と業種が偏っています。これは、電機業界が技術流動性の高い業界だからだと考えられます。技術流動性の高さ故に新興事業が出現しやすいですが、出現しやすさ故に技術の陳腐化も早く、陳腐化によって高収益を守ってくれる優位性も消えてしまいます。

事業新興型の低収益成長パターンは、主に事業立地の①外力による急激な地盤崩壊と②内的でゆっくりとした地盤沈下の2パターンに分類できます。

地盤崩壊

地盤崩壊パターンは11ケースありましたが、今や見る影もない4つ市場に分類できます。

  • 磁気記録:磁気テープやフロッピーディスクといった磁気記録製品は、不揮発性メモリや光学ディスクに代替され、市場が崩壊した
  • 銀塩写真:フィルムカメラは、デジタルカメラ、さらにスマートフォンに代替され、フィルム市場は完全に崩壊しました
  • 液晶表示:液晶モニターは今でも販売されていますが、韓国・台湾メーカーのコスト優位に対抗できず、日本メーカーは崩壊しました。
  • 携帯電話:フィーチャーフォンは、スマートフォンに代替されて市場が崩壊しました。

■成長パターン

まずは事業の立地を選び取る段階があり、そこから用途および製品ラインを拡充していく。そのあとは豊富な機会を活かして新たな事業への挑戦を繰り返す。成長軌道の背後では、次から次への主業が入れ替わっている。

■戦略の要諦

技術革新が起こりやすい業界では、主業のサドンデスに備えたバックアップ事業を持っていないと成長が頓挫するどころか、存続が危ぶまれることになりかねない。電機業界では現にアナログオーディオ機器メーカー多数が消え去った。

■低収益の理由

バックアップ事業で成長は継続できたとしても、制圧済みの主業の地盤が崩壊すると高収益は遠のいてしまう。地盤崩壊に遭遇する前から低収益に喘ぐ企業は、成長を維持することすら難しくなる。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
地盤沈下

地盤沈下での成長パターンのケースは3つで、繊維関連と航空機体整備のケースが抽出されました。ゆっくりと衰退していくためか、全てのケースで飛び地へ転地し、制圧することで成長につなげています。しかし、転地してくる競合他社も多いため、高収益には繋がりにくくなっています。

  • 繊維関連:日本国内の繊維産業が徐々に衰退していき、関連する紡績機や織物も衰退していった
  • 航空機体整備:エアラインの機体整備内製化の志向の変化によって、整備サービス需要が減少していった

■成長パターン

選び取った事業立地の地盤沈下が早々に露呈した段階で、思い切って遠い飛び地に転地したことが奏功して、息の長い成長を実現した。

■戦略の要諦

地盤沈下に遭遇した場合、隣接地に退避するのでは地盤沈下の影響を断ち切ることは望めない。

■低収益の理由

豊かな成長機会を提供する事業立地に転進して根を下ろしても、成長余力の大きい立地は新規参入を引き寄せるため、高収益を狙うのは難しい。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

国内深耕

国内深耕型の安定成長高収益パターンは、不動産と医薬品に限られていました。安定成長の低収益パターンは、それらの一部である住宅、医薬卸や食料品などが抽出されました。

対象ケースは13ケースで、そのうち住宅系が8ケース(62%)と大半を占めています。そのため、住宅系と非住宅系を分けて分析しています。

住宅系

住宅系の成長パターンは、業種によって4つに分類されます。

  • 住宅:建材メーカーなどから、住宅販売を始めて成長したパターン。不動産業の住宅事業との競争が待っていた。
  • 住設:システムキッチンなど住宅設備のラインナップを拡充することで成長したパターン。大手企業との競争が待っていた。
  • 家電:地方の家電量販店が格安&フルラインナップ化で成長したパターン。関東発の家電量販店との競争が待っていた。
  • 熱源:灯油による暖房を、少しずつ都市ガス(代替品)で置き換える領地拡大で成長したパターン。電気との競争が待っていた。

お分かりのように、成長はしたものの、成長した先で競合企業との競争が待ち構えており、確たる強みがなく競争に負けたため低収益に陥っています。住宅は「土地」の所有に関しては、不動産業の方が有利でした。住設は衛生陶器・配管工事・水栓金具に技術と製品を持つ大手企業の方に軍配が上がりました。家電量販店は、ターミナル駅前大型店の企業と郊外大型店の企業に板挟みによって、中途半端な立地になってしまったことで劣勢になりました。熱源は、都市ガスをさらに代替する電気による暖房によって劣勢になってしまいました。

■成長パターン

まずは祖業から住宅系に転地して、足場が固まると製品ラインを拡充しつつ、単価を引き上げたり、広域展開に打って出る。

■戦略の要諦

住のテーマは1980年頃を境に安価大量供給から多様化・高級化にシフトした。そのシフトを先導できた企業だけが成長を長らえている。

■低収益の理由

追い風の吹く領域に陣取れば成長は達成しやすい。しかしながら、企業戦略もしくは事業戦略に秀でる相手と間接的に衝突することになれば、高収益は期待しにくい。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
非住宅系

非住宅系で国内深耕型の低収益成長パターンは、次の3業種が抽出されました。

  • 医薬卸:特定地域で成功した事業を営業地域拡大・全国制覇することで成長したパターン。しかし、多くの支店を必要として、規模の経済が効かない。
  • 食料品:特定地域で成功した事業を営業地域拡大・全国制覇することで成長したパターン。しかし、多くの工場を必要として、規模の経済が効かない。
  • 国内線:国内の路線網を拡大することで成長したパターン。しかし、多くの空港に拠点が必要となり、規模の経済が効かない。

つまり、地域拡大によって成長したもののの、業種上、規模の経済が効きにくいため、低収益に陥っているケースと言えます。また、地域拡大を成し遂げるためには、中央管理では限界があるため、地域ごとの分権経営が必要になります。分権経営では、地域の特性に合わせて自律的に行動する社員が必要になるため、社員教育が必要になります。

■成長パターン

地域密着型の事業では、まるで大名の如く自らの領地に居座る同業他社を尻目に、全国統一を成し遂げる企業だけが息長く成長する。

■戦略の要諦

地域密着型の事業では、遠い出先の経営管理に工夫を凝らさないと、全国統一の夢が途上で足下から崩れ去る。

■低収益の理由

地域密着型の事業では、成長するにつれて地域拠点の数を増やす必要があり、規模の経済が作動しにくい。それゆえ全国統一を果たしても収益面ではメリットを見出せない。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
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中収益パターン

10年間加重平均営業利益率5%以上10%未満で年間成長率5%以上で成長し続けたケースは、分析対象の110社中、38社(35%)が該当します。このうち、上半分の12ケースは高収益に惜しくも届かず、下半分の26ケースは低収益を免れたケースと考えることもできます。

海外進攻

対象ケースは15ケースですが、そのうち11ケースが自動車関連事業です。そのため、自動車関連と自動車関連以外に分けて考えることにします。

自動車関連ケースは低収益パターンにもありましたが、低収益と中収益を分けるポイントはコスト優位性です。中収益ケースはコスト優位で市場の中央に陣取っているのに対し、低収益ケースはコスト劣位で市場の辺境に追いやられてしまっています。

自動車関連

便宜上、①完成車メーカー、②部品メーカー(系列)、③部品メーカー(独立)に分けて分析されていますが、海外進攻型の中収益成長パターンとしては1つに集約されます。低収益パターンに比べて、独立系部品メーカーが多いことは特徴的ではあります。このパターンでは、先行優位性とコスト優位性が必要不可欠です。

■成長パターン

まずは事業の範囲を拡げ、国内の事業基盤が固まった段階で、新たな成長機会を求めて米国への進攻を開始する。その前段としてアジアや第三諸国で経験を積むケースもあるが、本丸はあくまでも市場が巨大で、本場に相当する米国である。米国では市場開拓が先に来て、工場を埋める目処が立つと、輸出を現地生産に置き換えるステージに突入する。

■戦略の要諦

時機の到来に機敏に反応して先発することで国内市場を制圧すると、海外進攻は無理をしなくても成立した。逆に先発の機を逃したプレーヤーに成長と利益の両立を図ることは難しい。

■中収益の理由

自動車は市場規模が大きいため、海外進攻に成功すれば成長ポテンシャルは極めて高い。その反面、世界市場をめぐる競争は激烈で、明確なコスト優位を確立しない限り低収益に終わりかねない。部品メーカーは、勝ち組の車両メーカーと組まないと低収益を免れない。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
非自動車関連

自動車関連以外の4ケースは特に分類する軸が見当たりませんが、米国市場での成功が3ケースに共通しています。残りの1ケースは、中国市場の高度経済成長の波に乗れたことで成長しました。ただし、全てのケースでも無駄な投資をせずに、波が来るのを待つ姿勢が見られます。高収益を目指すには製品のプレミアム化が必要となりますが、非プレミアム製品の切り離しができずに中収益に止まっている様子が見えています。

■成長パターン

まずは事業の立地を選び取る段階があり、そこから用途および製品ラインを拡充していく。そのあとは海外進攻に挑戦して、紆余曲折を経ながらも最後は米国が成長フロンティアとなる。

■戦略の要諦

自社都合の海外進攻は骨折り損になりやすい。特に先発の競合が並み居る欧米市場では、その傾向が目立つ。出先の市場が自社の持つ何かを必要とするようになる変化、もしくは時機を捉えて攻勢に打って出ることが肝要である。

■中収益の理由

国内制圧しても利益率の長期低迷傾向は回避できないが、海外進攻の時期を捉えることで売り物のアップグレードが実現すると、低収益からの脱却が可能になる。売り物のプレミアム化まで実現すると、高収益ゾーンが近づいてくる。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

事業新興

PPM理論に従うと、キャッシュカウ事業で利益を出しつつ、新規事業に投資するため、収益率は中ぐらいになると予想できます。すなわち、PPM理論の理想型は、事業新興型の中収益成長パターンに現れると考えられます。

対象ケースは11ケースで、旧主業が光学系のケースが4つ、新主業がエレクトロニクス関連のケースが10もあります。これは、光学系技術は潰しが利くこと、怒涛の勢いで伸びたエレクトロニクスに擦り寄って成長したことが分かります。

書籍では、事業新興型の中収益成長パターンを、新主業を①事後に選別する創発型と②事前に選別する狙撃型に分けて考えています。

創発型

11ケース中7ケースが創発型に分類されましたが、さらに立地選択において次の2つに分けられます。

  • 地続き:旧主業の延長線上に新主業が展開されたケース。高収益に至る場合もあるが、該当ケースは少ない。
  • 飛び地:旧主業と遠いところに新主業が展開されたケース。高収益ケースは見当たらず、レアケースと考えた方が良い。

創発型で事業新興を成し遂げるのであれば、地続きの方が確実性は高いと考えられます。

■成長パターン

事業立地を模索する段階で当時のバンドワゴンに飛び乗ったものの、そこに安住せず、または安住できず、次の主業を探し求めるなかでステップアップした事業立地を他社に先駆けて引き当てるか、ステップアップした旧修行に回帰・深耕する。

■戦略の要諦

新興事業は、伸びると期待されてメディアが騒ぎ立てる案件より、地味な案件が大化けすることが多い。それゆえ社員が拾い上げたプロジェクトや社外リソースの取り込みを拒まず、間口を広く取ることが肝心である。

■中収益の理由

中核事業に絞り込めば高収益に転じる可能性は見えているが、収益力に劣る事業群を温存するため、全体としては中収益に甘んじることになっている。間口を広く保つたためのコストと見ることもできよう。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
狙撃型

創発型と同じく、立地選択において2つに分けられます。

  • 地続き:旧主業の延長線上に新主業が展開されたケース。高収益に至ったケースはありません。
  • 飛び地:旧主業と遠いところに新主業が展開されたケース。一発転地パターン全体が該当し、高収益になる可能性が高いです。

つまり、安定成長と高収益を同時に実現するには、飛び地を狙撃するパターンが良いと考えられます。しかし、そのためには意思決定が重要になります。一見すると可能性の低い飛び地を選択しなければならず、その案は通常の組織であれば反対勢力に潰されてしまいます。しかも、飛び地の狙撃を主導した人物に創業者がいない点にも注意が必要です。

■成長パターン

旧主業を国内制圧すると、そこから生まれるキャッシュフローを衰退懸念の持ち上がった旧主業に注ぎ込むことなく、次の主業を育てるために使っていく。次の主業は過去との連続性ではなく、伸びる余地によって選ぶことが肝要である。

■戦略の要諦

狙い打ちで飛び地への転地を実現するには、創発型とは真逆で、人脈および知見の広いトップの推進力が不可欠となる。そのトップも、祖業に執着しがちな創業経営者以外の人物であることが望ましい。

■中収益の理由

転地先が育成中なら言うに及ばず、高収益圏に接近しても踏み台となった旧主業が足を引っ張るところまで劣化すると、全社では中収益圏に甘んじざるをえない。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

国内深耕

半世紀ものあいだ同じ事業に留まっていても利益率は下がる一方です。それに抗うために、製品ラインの拡幅を試みても、多くは有効な対策とはなりません。そこで、書籍では、売り物か売り先の一方を大胆にシフトさせ、事業を変容させるという方法です。

対象となったケースは11ケースで、4ケースがガスを扱っており、2ケースが陸運に分類されているという弱冠の偏りがあります。

これらのケースを、①売り物をシフトした場合と②売り先をシフトした場合に分けて分析しています。

売り物シフト

売り物をシフトしたケースは6つで、さらに細かくは戦術によって3つに分かれます。

  • 開戦型:間接的な競合に攻め込まれる前に、相手の得意領域に踏み込んでシフトしたケース。
  • 不戦型:直接的な競合との正面衝突を事前に回避するシフトを講じたケース。高収益ケースに1つ同じアプローチがある。
  • 籠城型:得意領域を徹底的に深耕することで活路を見出したケース。低収益になるケースがほとんど。

売り物をシフトする場合は、籠城型はあまり選ばない方が良さそうです。

■成長パターン

製品ラインの拡幅と事業エリアの水平拡大だけに終始することなく、製品のメジャーなアップグレード、もしくは川上の部材や川下のモジュール、システム、ソリューションへの売り物シフトによって間接的な脅威に的確に対処することで、成長を長らえる。

■戦略の要諦

売り物シフトを成功裏に成し遂げるには、シフト前のベース(評判、市場地位)が強固でなければならない。

■中収益の理由

国内深耕で利益を出すには、同業他社および代替品提供者との競争に勝ち、その結果として規模の経済を享受することが条件となる。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
売り先シフト

売り先シフトのケースは5ケースで、業種がガスと運輸しかありません。また、売り先を変えたこと以外の共通点もなさそうです。

■成長パターン

熾烈な競争にさらされている業界においても、売り先を転じていくことで競争優位に立ち、既存の事業者から市場を奪うことで成長する道がある

■戦略の要諦

売り先はシフトさせること以上に選別が重要で、そこで易きに流れて取引しやすい顧客を選んでしまっては元も子もなくなる。仕えにくい顧客は、同業他社が避けて通るため、逆説的に良い売り先になることが多い。

■中収益の理由

事業エリアを拡大していく単純な成長では利益が犠牲になりやすい。利益を犠牲にしない成長を遂げるには、ネットワークの経済規模の経済が活きる構えを築くことが重要である。

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)
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実践への示唆

企業成長の標準モデル

ここまで、海外進攻・事業新興・国内深耕に分けて分析してきました。しかし、実際には、これらは事業の進み具合を表しており、一つのモデル(下図)に集約されるとしています。すなわち、事業立地を選択した後、新興事業の競争優位の構築フェーズに入ります。競争優位が確立すると、国内深耕によって企業成長が実現します。国内市場が飽和に近づくと、次は海外市場への進攻に転じて成長を存えます。海外市場も頭打ちになってくると、別の事業立地を開拓して、同じサイクルを繰り返します。もし、各フェーズで次のフェーズに成長の見込みがないと判断すれば、別の事業立地の開拓に移ります。

企業成長の標準モデル(三品,2022)を参考に著者が作成

成長戦略としては、標準モデルの入り口となる事業立地の選択が重要になります。事業立地の重要性は、「経営戦略の実戦1ー高収益事業の創り方ー」の結論の一つでもあります(参考記事)。選択の基準は、以下の5点を考える必要があります。

  1. 実力伯仲の競合がまだ足場を築いていない
  2. 後発で挑んでくる他社を阻む防壁が立つと期待できる
  3. 衝突したら勝ち目のない強者が興味を持たない程度に狭い
  4. 標準産業分類の小分類(三桁)次元で勢いのあるバリューチェーンに絡んでいる
  5. 標準産業分類の細分類(四桁)次元で勢いのあるカテゴリーと重ならない

もし、この5条件を満たさないと分かれば、それまでの投資はサンクコストとして諦めて、事業立地の選択から考え直した方がいいでしょう。

企業成長は外生的な現象

母集団2,239社のうち安定成長企業として採択されたのは110社でした。実は、母集団と成長企業の業種構成を見ると、構成比率が異なります。

  • 輸送用機器:母集団の3.7%→成長企業の17.3%(成長企業率22.9%)
  • 電気機器:母集団の8.8%→成長企業の26.4%(成長企業率14.6%)
  • 化学工業:成長企業の14.5%
  • 精密機械:(成長企業率16.7%)

反対に、成長企業に1社も含まれなかった業種は、サービス・通信・繊維・鉄鋼・倉庫・非鉄金属・紙・石油石炭・鉱業・水産でした。比較的新しい業種のサービス・通信は、1965年までの売上高を入手できずに採択条件を満たせなかったのでしょう。しかし、それ以外は停滞している業種と考えられます。

これらのデータは、業種によって成長率が異なったことを示しています。これは、同じような企業努力をしていたとしても、所属する業種が異なれば成長率が異なったということです。すなわち、企業成長の主因は、企業内部の努力ではなく業種全体に影響する外部要因であるということになります。

その外部要因とは、市場普及率0%→90%と需要が駆け上がる現象です。調査対象期間の前半は、自動車(輸送用機器)や家電(電気機器、精密機械)が家庭に急速に普及した時代です。また、石油化学工業(化学工業)も本格的に立ち上がりました。調査対象期間の後半では、国内の普及率が90%以上になっていた自動車や家電は、まだ普及率の低かった海外市場へと進攻していきました。

すなわち、企業成長は、企業努力ではなく市場成長という現象に大きく依存しているということです。

成長戦略は事業立地のシフト

企業成長の標準モデルは事業立地を選べば成長が始まるように見えますが、実際には2周目以降で成長する事業立地を掴んだケースの方が多いです。祖業の事業立地でそのまま成長できたケースは2割以下でした。

企業成長は外生的な現象なので、企業ができることは成長する事業立地を選択することくらいです。この前提に立てば、企業の成長戦略とは外生的な力の及ぶ立地に事業をシフトさせることとなります。

事業立地のシフト方法としては、次の4つがあります。

  • 地域シフト:売り物を固定し、売り先の地域を普及率の低い地域に変更する。(比較的時間がかからない)
  • 業界シフト:売り物を固定し、売り先の業界を急成長する業界に変更する。
  • 製品シフト:売り先と販路を変えずに、売り物を変更する。(同種製品へのシフトが多い)
  • 川下シフト:売り物と売り先を変えて、顧客に近い川下に進攻する。

以上から、企業が成長戦略を考える時には、既存顧客や既存事業に囚われてはいけないことが分かります。

企業成長はトップダウン

企業の安定成長を牽引した戦略旗手の属性は、創業経営者45(41%)、同族経営者28(26%)、操業経営者18(16%)、現役社員4(4%)となっており、企業成長はトップが牽引しないと成功しないことが分かります。ただし、高収益安定成長のケースは、半分以上が同族経営者が牽引しています。

トップの牽引が必要なのは、事業立地の選択が相談ではなく独断を必要とするためです。安定成長のために転進先の事業立地で独占状態を作るためには、他社の事業立地を重ならないことが重要になります。この時、相談によって多くの転地候補が見つかっても、それは他社でも思いつく転地候補であって、競合他社と衝突する可能性が分かるだけです。つまり、相談によって「どこに転地しないべきか」は分かっても「どこに転地すべきか」は分かりません。

また、安定成長は10年や20年という期間を考えるため操業経営者や現役社員には決断は向いていません。また、創業経営者は祖業に思い入れがあるため、同族経営者のような大胆な決断は苦手なようです。そのため、長期視点で物事を見ることができ、祖業への思い入れも大きくない同族経営者が、安定成長と高収益を実現する場合が多いのでしょう。

したがって、同族経営者のような独断ができるトップを育てることが、企業の安定成長に不可欠と考えられます。血縁者の場合でも非血縁者の場合でも、2代目による事業立地の選択が功を奏した企業では、2代目の育成に次のような特徴があるようです。

  • 世界を広く見渡す機会を与える
  • 次世代の自立を妨げない
  • 後ろ盾を与える
panoramic photography of green field
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まとめ

第2巻は1200ページを超える大作で読むのがとても大変でした。今後は、ビジネスケースの辞書として使えると思います。

本記事が、全体を通して何が書かれていたのかを思い出すきっかけになれば幸いです。

読んでみての学びとしては、次の点が挙げられます。

  • 企業成長は運の要素が大きい
  • 運のある事業立地の選択と運を掴む仕込みが重要
  • 運を掴むまで事業立地は転々と探し続ける
  • 仕込み:小さくても高収益な事業
  • 仕込み:独断できるトップの育成

参考文献

経営戦略の実戦2ー企業成長の仕込み方ー」(三品和広, 2022)

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